マル得温泉旅行

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【野生の旅】北海道野湯探索1 [北海道野湯探索]

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【野生の旅】 ■北海道 野湯探索1 →[北海道野湯探索]

= 6月9日:二日目 =

◎北海道 トムラウシ川

 前日、トムラウシ噴泉塔を見物した後、トムラウシ川へと続く林道をノロノロと走り始めた。山深いところを走るせいか、カーナビがうまく表示してくれない。時々鹿に出くわすが、それもいつの間にか見慣れた風景になっていた。
 林道終点に辿りつく前に周囲が薄暗くなってしまった。ガスも出てきたので前進を断念し、車のエンジンを切る。手早く食事を済ませ、ゴロリと横になる。こういう場所では車の中が最も安全な寝床だ。天候を気にしながら眠りに就く。

 6月の北海道の夜明けは早い。薄暗い中、3時30分に目覚める。車の窓を開けると雨が吹き込んできた。しかも寒い。野湯探索の高揚とした気分が一気に醒めてしまう。
 気を取り直して林道を進み始める。途中、何箇所か某フィットにとっては厳しい箇所もあったが、何とか林道終点に到着する。こういう荒れた林道には、神経を使わなくて済むので、やはり車高のある車の方がいい。

 ▼トムラウシ川(6月9日:二日目)
温泉画像

 車から降りる前から、轟音が聞こえていた。トムラウシ川の音だ。取り合えず、野湯グッズを携え、探索モードに入る。本日最初に目指すのは、東大雪地獄谷。比較的有名な野湯だが、いかんせん辺境にあるので、訪れる人の数はそう多くない。
 歩き始めてすぐにトムラウシ川に出くわした。轟音に加え、圧倒的な水量。見事なまでの雪解け増水。水温を計ると6℃しかない。何度か渡渉する必要があるのだが、さすがにそんな気持ちにはなれない。あまりにもデンジャラスすぎる。シトシト降り続ける雨が、よりいっそうブルーな気分にさせる。
 と思いつつも、諦めの悪い私は渡渉を試みる。比較的流れが弱そうなところを選び、トムラウシ川に一歩足を踏み入れた瞬間、物凄い水圧がかかってきた。次の一歩を踏み出すどころの話しではない。下手に動くと、戻ることさえできなくなるだろう。(寒)
 探索を諦め、車へと戻る。(はー)

 気を取り直して、次の野湯を目指し車を走らせる。林道を戻る途中の西沢支流に野湯が湧いているらしいので、まずは地図上の噴気マークを目指すことにする。
 探索開始地点に到着する直前から、雨が土砂降りとなった。体力を無駄に消耗するのが嫌だっだし、また眠かったこともあり、1時間ほど車内で眠る。
 雨が小降りになり、体力も回復したところで、野湯探索を開始する。林道から斜面を下降し、そのまま沢を下っていく。比較的歩きやすい沢だったので、ほどなく湧出地点に到着する。白濁していて、濃厚な硫黄臭もするのだが、残念ながら冷たい・・・。小さいな滝の脇のものが最も湧出量が多かった。美しい情景を眺めながら飲泉する。クリアな炭酸が美味しかった。
 その後、周辺を探し回るが、暖かい温泉を見つけることはできなかった。東大雪地獄谷に続き、挫折感を抱きながらトムラウシ川を後にする。暖かい野湯に入りたくて、わざわざここまで来たと言うのに・・・(泣)

◎北海道 ヌプントムラウシ

 トムラウシ噴泉塔を再び見物した後、ヌプントムラウシ温泉を目指し、レンタカーを走らせる。カーナビのおかげで、迷うことなく現地着。温泉に入る前に、付近で自然湧出する「紅葉の沢の湯」を探索することにする。

 ここら辺だろうと見当をつけて、探索を開始するが一向に見つからない。不吉な予感が漂い始めた頃、ようやくそれらしい場所を発見する。そこには赤く染まった岩が何個か不自然に固まっていた。
 近寄ると湯気らしきものが確認できる。湯の湧出は見られないが、取り合えず岩をどかしながら地面を掘り始める。少しずつお湯が湧き出てくる。口に含むと、やや甘い炭酸鉄泉。しかも赤い色ということもあり、大好きな泉質なので、雨が降り続いているにもかかわらず夢中で掘り続ける。
 ある程度まともな湯船を作りあげた後、身体をゆっくりと沈めていく。本日初めての入湯。36℃とぬるめながらも、目の前を流れる川が美しいこともあり、十分満足した。この日は朝から探索失敗が続き、気分がへこんでいたけれども、これで元気回復。これだから野湯探索はやめれらない。(笑)
 身体を拭いたところ、サラシが真っ赤に染まった。川の水で何度も洗うが、一向に色落ちする気配がない。うーん、恐るべし温泉力。

 この後、身体を洗うため(?)にヌプントムラウシ温泉へと向う。こちらはポピュラーな温泉ということもあり、既に何人かが入湯を楽しんでいた。源泉温度が100℃近いので水で薄めてあるが、それでも激しくツルツルする。これには驚いた。源泉100%浴槽があったら、さらに凄いことになっているだろう。強アルカリ性のためか、入浴後は肌がパサパサした。
 源泉湧出地点には小ぶりな噴泉塔(?)があった。そこでは卵だけではなく、野菜などを茹でている人がいた。温泉って、本当に素晴らしい。

 ヌプントムラウシ温泉でノンビリ過ごした帰り道、ヌプンの名水で水分補給を行う。温泉に入った後に摂取する水は本当に美味い。さらに満足度を高め、次なる野湯探索への活力とする。

◎北海道 ワッカタリベツ川

 東大雪唯一の活火山である丸山に、一度は行ってみたいと考えていた。だが登山道がない上に、野湯が存在するかどうかさえ怪しいので、今回の北海道旅行においてはパスするつもりだった。
 ところが旅立つ少し前に状況が大きく変わる。立て続けに丸山に関する情報を手に入れることができたのだ。しかも暖かいかどうかは不明だが、温泉マークが入った地形図まで入手した。

 ▼丸山ワッカタリベツ川支流「紅い沢」(6月9日:二日目)
温泉画像

 そういう訳で、本日最後の野湯探索は、丸山の西側を流れるワッカタリベツ川である。地図を見る限り、かなり奥まで林道が続いている。途中でゲートが閉められてない限り、比較的容易に辿りつけそうだ。
 ニペソツ川沿いに延びる林道は走りやすい。白雪沢分岐を越えてしばらくすると、ワッカタリベツ川分岐にぶつかった。幸いにもゲートは閉まっておらず、北東へ延びる脇道を入っていく。

 林道終点らしき地点に車を止め、ワッカタリベツ川を遡っていく。分岐で右俣を選択した後、しばらくしてから支流の右沢へと入っていく。だが温泉マークが打たれている地点に差し掛かっても一向に湯の気配を感じない。水の流れが弱くなってきたこともあり、途中で探索を断念する。
 気を取り直して、ワッカタリベツ川右俣に戻る。こちらが実は本命。気合を入れなおし本流を遡っていく。

 それなりに荒れているが、さほど難しい沢ではない。進むにつれて、しだいに川底が赤くなってくる。そのうち至るところから真っ赤な冷鉱泉が湧出し始めた。口に含むと頭が痛くなるくらいに炭酸を感じる。湧出量も半端ではない。いつの間にか川底全てがピンクに染まっていた。これは凄い・・・。
 やや滑りやすくなってきた中、いくつもの滝を巻いていく。丸山の稜線が見える箇所まで遡ったが、状況は一向に変化しない。川底は相変わらずキレイなピンク色に染まり、ところどころで真っ赤な冷鉱泉が湧出する。途方もない湧出量に正直なところ呆れていた。
 徹底的に探索をしたかったのだが、時間切れのため引き返すことにする。もしかしたら、この少し先に暖かい温泉が湧いているかもしれない、と考えると気が狂うぐらい悔しいのだが、こんなところで野営などしたくない。ここら辺はクマさんの生息地域なのだ。耳が変になるくらいクマよけのホイッスルを吹きまくっている私とすれば、多少無理してでも暗くなるまでに車まで戻る必要がある。

 気持ちを切り替え、大急ぎで沢を下り始める。頭の中は車まで無事に辿り着けるかどうかで一杯だった。やはり温泉よりも自分の身体の方が大切だ。

-2002.06.09-  

→■北海道野湯探索2へ続く

【参考】
写真旅記:北海道野湯探索1
北海道野湯探索

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