マル得温泉旅行

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【野生の旅】長野 白馬鑓ヶ岳 [長野新潟岐阜の野湯他]

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【野生の旅】 ■長野 白馬鑓ヶ岳 →[長野新潟岐阜の野湯他]

 晴れ時々ガス。朝4時、猿倉山荘下にある登山者用の駐車場に到着。早朝にも関わらず、既に満車状態。仕方ないので無理矢理に駐車する。腹ごしらえをした後、出発。薄暗い中、ライトをつけて歩き出す。時間は4:30。長い一日の始まりだ。
 鑓温泉までの道は、長い上に単調な部分が多い。が、この季節は、道すがら色とりどりの花が、目を楽しませてくれる。途中に、ミニお花畑あり。植物図鑑が欲しいと、切実に思うほど種類が豊富だった。

 ▼長野 ミニお花畑で記念撮影
温泉画像

 途中、二箇所の水場あり。迷うことなく、ガブ飲みする。ヒンヤリした水は美味しいだけでなく、体に活力を与えてくれる。ペットボトルにも汲み足し、今後の長い道程に備える。
 歩き始めて1時間前後。しだいに、道が険しくなってくる。早朝ということもあり、地面が霜で濡れていて妙に危ない。と言うより、泣きそうなくらい怖いのだ(うう)。岩場についてはまだ我慢できるが、粘土質の箇所がヌルヌルしていてどうしようもない。そういうところに限って道幅は狭く、片側は断崖。滑ろうものなら、上がるのに苦労すること間違えなし。

 最初の雪渓あたりぐらいから、下山者とのスレ違いが始まる。朝早いと皆さん元気で、挨拶も自然と積極的になる。「おはようございます」普段なら出ない言葉を自然と口にする。山って良いなと思う瞬間だ。ちなみに、陽が上るにつれ挨拶に対する情熱も薄れていく。「こんにちは」に変わり、最後は「ちわっ」。面倒臭くなる上に、体を疲労が襲うためかな。
 ほとんどの方々は重装備。おまけに、10人以上のパーティーを組んで行動してる場合も多い。(盆休みだしな...)。よって、狭い道で彼らと遭遇するのは、ムチャ鬱陶しい。まあ、待つのも適度な休憩と考えれば、さほどの不満もないのだが...。

 ▼長野 雪渓をバックに記念撮影
温泉画像

 早朝の雪渓は、やや怖い。カチンコチンに固まってるため、田植足袋でザクザクと踏み締めることはできない。ちなみに、帰りは陽射しののおかげでジャリジャリになっていて、とても歩きやすかった。まあ、行きも木の枝を手にしてたから、問題なく通過できたけどね。
 鑓温泉小屋は、かなり遠くから見える。でも、なかなか辿り着けない。2つ目の雪渓を越え、しばらくしてからようやく間近に迫る。と、目の前を湯の川が流れてくる。鑓温泉からの盛大な捨て湯。かなり強烈な情景だった。

 7:00。猿倉山荘を出発してから2時間30分。ようやく鑓温泉小屋に到着だ。小屋前のテントサイトには、未だに撤収していないテントが結構残っている。予想より早く着いたし、天気も悪くないので、温泉を後回しにして、頂上を目指すことにする。休憩もそこそこに温泉小屋を出発。
 鑓温泉より上は、岩がゴロゴロしてるガレ場や、見た目は危険なクサリ場が待ち構えていた。でも、私にとっては楽勝の部類。普段の旅で、安全性が全く考慮されていない道なき道を突き進んでいるためか、ヒョイヒョイと乗り越えていく。荷物を最小限にしたことも大正解だった。

 温泉小屋から25分で、巨大なお花畑に到着。ここから山の稜線までは、実に快適でした。無数のお花に囲まれている上、視界がポッカリ開けていた。ルートも楽だし、一気に稜線ま上り詰める。時計を見ると8:10。ハッキリ言って、歩くの早すぎです(笑)。休憩もほとんど取らないし、我ながらタフだなって思いました。と言うことで、白馬槍ヶ岳へも一気に行っちゃいました(爆)。
 さっきまで頂上を覆っていたガスは抜けつつある。手の届くところに見える姿は優雅な印象。とは言え、さすがに頂上間近の道は険しく、息も絶え絶えとなり、ペースダウン。ようやく疲労を感じ始めるのだった<遅い
 そして、頂上へ。2,903mと記されている。3,000m級に近い山だが、そのわりには、呆気なかった。8:35。4時間程度、歩いたということか。こんなに楽なら、「猿倉山荘→大雪渓→白馬岳→白馬槍ヶ岳→鑓温泉→猿倉山荘」というゴールデンルートを選択すべきだった...、と一瞬考えるが、大雪渓を早朝に田植足袋でアタックするのは自殺行為に等しいことに思い当たる。少なくとも日帰りするなら、アイゼンは必須だったなとも思い、ゴールデンルートにしなくて良かったと、シミジミしてしまう。

 ▼長野 白馬槍ヶ岳の頂上
温泉画像

 幸いにも頂上付近は、完全にガスが抜けてくれた。だが、周囲の山々は、ガスに覆われ、残念ながら見ることができない。唯一見えるたが、遠くにひょっこりと頭を覗かせる剣岳。しばらくガスが抜けるのをボンヤリと待つが、状況に変化はない。3,000m級の山々を拝むのは、次回以降に持ち越しされることとなった。それにしても水がうまい。こういう場面では、ビールはお呼びではない。体はシンプルなものを欲する。チョコを齧りながら、幸せな時間を過ごす。
 かなり名残惜しかったが、下山を開始する。先ほど登ってきたルートをそのまま降りていく。途中からは勢いがついてしまい、文字通り、駆け降りてしまった...。#冗談抜きで止まるに止まれなかった(^^;

 再び、温泉小屋に。受付へ直行し、300円を支払い、露天風呂へと急ぐ。湯量豊富で透き通った美しい硫黄泉が待ち構えていた(嬉)。白くて大きな湯花が華麗に舞っている。頭から何度もかぶり湯をして浴槽へと入る。チリチリと日焼けした肌が痛むが、不快な感じはない。濃い湯に入湯できる幸せさの方が圧倒的に勝る。露天からの眺めは絶景と言いたいところだが、今の時間はガスまみれ。やや残念だが、実はどうでも良かったりする。登山疲れの体にとっては、そんなことより大事なものがたくさんあるのだ。

 ▼長野 白馬鑓温泉で極楽入湯
温泉画像

 ゆっくりと時間をかけて、足をマッサージし、最後の下りに備える。湯船を出たり入ったりと、のんびりと過ごす。ところで肝心なタオルを忘れた私(^^;仕方ないので、秘技「自然乾燥」を使い、無事にピンチを切り抜ける<頭悪い
 再び歩き出すと、やたら体が重く感じる。入湯したせいだろうか。お腹もペコ状態になったので、最後の雪渓を越えたところで休憩することに。水を飲み、オニギリにかぶりつく。陽射しはギラギラと厳しいが、雪渓からヒンヤリした空気が漂ってくる。涼しくて快適そのもの。山ならではの楽園にて、しばしの間、目を閉じて心の洗濯をする。ここに来て良かったと思い、本日何度目かの心地よい溜め息が漏れる。

 この後は、バテバテになりながらも必死になって下山する。途中のお花を楽しむ余裕もないぐらいだった。そのような状況だったためか、最後の水場で飲んだ水は最高にうまかった。

-2000.08.15-  


【コースタイム】

[往:歩4h05].猿倉山荘下駐車場430-700鑓温泉小屋-725お花畑-810稜線-835白馬槍ヶ岳

[復:歩4h25].白馬槍ヶ岳845-955鑓温泉小屋1025-1310猿倉山荘下駐車場

長野新潟岐阜の野湯他

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