マル得温泉旅行

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【野生の湯】台湾横断バス旅行が無事終了 [台湾野渓温泉]

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【野生の湯】 ■台湾横断バス旅行が無事終了 →[台湾野渓温泉]

→■四陵温泉より続く

 四陵温泉の素晴らしい湯滝を堪能した後、巴陵バス停へ向けて歩き始める。10km以上歩かなければならないが、最終バスの発車まで4時間近くあるので、かなり余裕がある。「いざとなれば走ればいいや」とも考える。

 ▼四陵温泉への入口。温泉に入った後、ここから巴陵バス停に向けて歩き始める。
温泉画像

 天候は良く、風も適度に吹き抜けていく。と言っても日射しが結構きついので、歩くにつれて汗ばんでくる。水も食料も十分だし、体調も良いし、全く不安を感じない。景色の良い山間を進むので、飽きないし、歩いていて楽しい。

 途中何ケ所か冷たい沢が流れていた。その都度、日本と同じ感覚で、顔を洗い、ゴクゴクと飲む(<おいおい)。しかも、うまい!(<幸せな奴)

 歩き始めて2時間を過ぎた頃、遠くに巴陵らしき街並が見えてきた。緊張感が緩む。残る課題は、最終バスが事前情報通りか否かだけだ(笑)。巴陵に着いた時は、歩き始めてから2時間30分が経過していた。ガードレール際に規則的に記された数字表示から判断すると、どうやら12km歩いたらしい。バス乗車予定時刻まで、1時間以上も早く着いてしまった。余裕があるということは良いことだ。うん。

◎桃園縣 復興郷 巴陵

 お腹が空いたので、羊ソーセージ30元(約110円)を食べたが、残念ながら味は今一つ。台湾ビール350ml30元(約110円)を飲みながらバスを待っていると、目の前にマイクロバスが停車した。時間も早いし、見た目からして路線バスじゃないし、シカトしてたら、地元のおばさんが近寄ってきて、これに乗れとマイクロバスを指差す。「往大渓?」と紙に書いて確認すると、その通りだと力強く頷く。でも停留所に書かれているバス会社と違うし、やや不安になるが、まあ何とかなるさと、150元(約550円)を払い乗り込む。このような旅をしてると、だんだんアバウトになっていくもんだ。

 ところで、このバスの運転は凄まじかった。曲がりくねった見通しのきかない狭い山道で、なぜ客を乗せたマイクロバスが、前の車を煽るだけでなく、無茶な追い越しをするのでしょうか?(笑)。しかもバリバリ下り坂。悪路部分ではバスがポンポン跳ねるし、当然のごとく頻繁に急ブレーキをかけるから揺れる揺れる。でも周囲の台湾人乗客は何ごともないように寝てるから、心配するのがアホらしくなり、いつの間にか私も爆睡していた(笑)。世の中、なるようにしか、ならないのさ。(たぶん)

 途中の復興、終着の大渓の街は、地方都市ながら、それぞれ独特の活気があった。日本の自治体の連中は、欧米なんかに行くのをやめて、台湾の地方都市を視察するべきだと真剣に思ったぐらい。大渓からは別のバスに乗り換え、桃園を目指す。本日4本目のバスだ。台湾横断バス旅行も終わりに近い。桃園からは列車なのだ。

◎桃園縣 蘆竹郷 桃園市

 桃園駅で台南行きの切符を購入する。夜行列車が希望だったが、あいにく満席。夜行で座れないのは絶対に嫌だから、仕方がないので、翌日の午前0時過ぎに台南に到着する急行列車のキップを購入する。台南からは翌朝6時のバスに乗る予定だが、それまでどうやって過ごすべきか少しだけ悩む。

 プラットフォームに上がると、そこは文字通り人で溢れかえっていた。指定席だから関係ないさと思っていたが、それは甘かった。列車は20分遅れで到着。乗車する人間があまりにも多いので、ダイヤが乱れているらしい。この駅からも人間が激しく乗り込む。

 ところで(あまりシステムを理解していないが)台湾では普通運賃さえ払えば特急や急行にも乗れるらしい。そんな奴らが通路や連結部に溢れかえっているから最悪の一言。どうにか列車には乗れたが、人の壁に遮られて身動きが取れず、自分の席まで辿り着くことができない(涙)。

 と言うことで、次の駅で大量の乗客が降りるまで、地獄の時間を味わった。しかも大荷物を抱えているから大変な上、場所を取るから周囲の視線は冷たい。

「俺はお前らと違って指定席券を持ってるんだぞ」と日本語で弱々しく呟いてみるが、もちろん意味なし。中国語はもちろん、適当な英語も思い付かない(シクシク)。唯一、隣の少年が私の指定席切符に気付くが、薄ら笑いを浮かべるだけで、何もしてくれない。おそらくトロい奴だと思われたのだろう(シクシクシク)。あー、なんか理不尽だ(涙)。

 ようやく次の駅に到着。とたんにワラワラと降りる乗客。うーん、こんなに人が詰まっていたとは(呆然)。人の流れが途切れた時を見計らい自分の席に行くと、もちろんそこには誰かが座っていた。

 (やはりシステムを理解していないが)台湾では指定席券を持った人が来るまでは、空いている座席に座っていても問題ないらしい。「私が理不尽さに耐え忍び、苦労して立ち続けている時に、お前は悠々と座っていたのか!」と、怒りをこめた視線を投げかける。が、奴は全く意に介す様子もなく、と言うより、逆に「もう来やがったのか。チッ」という態度で去っていく。あー、本当に世の中は理不尽だ(号泣)。

 日曜日の列車に乗るのは、ゲロゲロ混むと聞いていたがその通りだった。台湾国民のことを甘く考え過ぎていた(反省)。

◎台南縣 台南市

 座ると速攻で眠りに入る。旅行中、座席につくと眠るという習性が完全に身についてしまった。台南に着く頃には、さらに列車は遅れ、午前1時近くになっていた。日付けは12月31日に変わっている。

 台南の街は、寝静まっていた。確かに時間は遅いが、それにしても静かすぎる。コンビニで生葡萄ジュース35元(約130円)と乾燥グァバ35元(約130円)を購入。ガランとした街中を歩くが、すぐに疲れが襲って来た。食欲もなく、頭もボーっとしている。駅のベンチで朝を待とうかと思っていたが、横になりたい。かと言って、こんな時間にホテルを探す気力もない。

 野宿用具は持ち歩いているので、取り合えず寝場所を求めて公園へと向かうことにする(<おいおい)。うーん、完全にいっちゃっていますね(笑)。

 午前2時頃、公園の茂みにシートを敷き、シェラフカバーとスリーピングシーツにくるまり、眠りにつく。天気も良く、暖かいのだが、台南では、この季節でも蚊がブンブンうなっていて、ちょっと辛い。それにしても度胸があると言うか、単にバカと言うか(悲)。

 こうして長い長い一日が終わりを告げた。

-2001.12.30-  

→■台湾での年末年始へ続く

台湾野渓温泉
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