【野生の技】 ◇Tips お読み下さい
12. [調査].低体温症(疲労凍死) 2002.04.07
【気温・水温・湿度】
- 気温23℃:半袖と長袖の分岐点
- 気温18℃-22℃:快適温度
- 気温13℃以下:寒い
- 気温8℃以下:手袋が欲しくなる
- 標高が1,000m上がるに従い気温が約6℃下がる
- 頂上に少しでも積雪があるのが下界から見えれば、山の季節は冬
- 夏に開いていた山小屋が閉まり始めると、山の季節は冬に突入する
- 山小屋が閉まる頃というのは基本的に水の調達がむずかしくなる時期
- 雪が残っているうちは、5月下旬や9月末でも気温4℃以下になる
- 水温15℃:生存限界2-6時間
- 水温10℃以下:10-15分以内に泳ぎ続けることができなくなる
- 水温5℃:生存限界1時間
- 北国の場合、雪解け時期の川の水温は、0-5℃のことも。気温と水温との差が大きく要注意
- 湿度が50%を下回るとカラっとして爽やか。
- 秋から冬に向かう季節は、湿度が高く気温が低くなるほど体力を消耗
- 体の表面が外部の物質と接触していることによる伝熱
- 赤外線などの放射による輻射
- 水分の蒸発による蒸発熱
- 空気の流れ対流による熱放射の促進
- 風が強いと体温が奪われる
- 冷たい空気にさらされていると体温が奪われる
- 濡れた服を着ていると気化熱で体温が奪われる
- 水中では極めて急激に体温が奪われる
- 水の中に浸かっている場合、同じ温度であれば、空気中よりも25倍も早く体温低下
- 適温(38-42℃)に浸かっている場合、同じ温度であれば、空気中よりも25倍も早く体温上昇
- 体温36℃:血液および細胞の正常な反応ができなくなり、様々な影響が発生し始める
- 体温35℃:機能障害
- 体温32℃:意識障害
- 体温26℃:心臓停止
- 風速が1m/秒(3.6km/h)増すごとに体感温度は約1℃下がる
- 風速が10km/h増すごとに体感温度は約3℃下がる
- 体温の低下とは、血液が冷えること
- 正常な運動および細胞の機能が失われる程度まで、体の深層体温(コア)が低下した症状
- 内臓および脳=いわゆる「コア」と呼ばれる部分が、正常な機能を失うこと
- 体温保持ができないと低体温症になる
- 体温を維持できなくなるのは真夏でも起こりうる
- 疲労凍死、ハイポサミアとも呼ばれる
- 「コア」以外の手足などの体温低下は、生死に関わる問題ではない
- 但し手足の先から体は冷え始め、そのうち「コア」体温も低下する
- 運動している時、「コア」体温の低下に気付かない場合が多い
- (熱の生成量+保温量)<(熱の損失量)
- 熱の生成:運動や温かい食物の摂取および炭水化物の分解で生じる
- 保温:熱を逃さないために適切なウェアを着用。体の脂肪も保温効果あり
- 熱の損失を抑えるためには、低温の物質との接触を出来るだけ避け、乾燥を保ち、風を防ぐ
- 深層体温37.2-36.1℃:初期症状。ブルッと震えが始まることもある
- 深層体温36.1-35.0℃:初期症状。寒気、鳥肌、手のかじかみ、体の震え、指先のしびれ
- 深層体温35.0-33.9℃:中期症状。固い震え、筋肉の働きが不正常、動作が鈍く不自然、口ごもる
- 水遊びやプールで唇が紫色(低体温症の初期症状)→数時間続けば命にかかわる
- 低体温症の初期症状になると、それから先に進行するのは早い
- 体温ロスを防ぎ、体温を保持する
- 防風・防水・保温がポイント
- 重ね着(レイヤード)で、体温調整するのが基本
- アンダーウェア:汗を良く吸い上げ、肌に水分を残さず、すぐ乾くもの(寒い時期には保温性も必要)
- インナーウェア:適度な保温性があり、下着が吸い上げた汗を速やかにアウターウェアに放出するもの
- アウターウェア:風を通さず、雨など外からの水を防ぎ、衣服内の水分を外へ放出するもの
- 特殊加工された化繊は、特殊な形状によって早乾性や保温性や透湿性等を実現している
- 単なるポリエステル繊維と、特殊加工された化繊(サーマル素材等)とは別物
- アウターウェアは、防水性だけでなく透湿性も重要(汗で濡れるのを防ぐ)
- 雨具は「耐水圧20,000mm、透湿性10,000g/平方m/24hrs」以上が一つの目安
- 耐水圧については、JIS規格での完全防水基準が20,000mm
- 化繊のアンダーウェアを長期間着ると、汗に含まれる油脂の付着により保温力が低下する
- 天然素材でアウトドア向きなのはシルクやウール(乾きは遅くても濡れても暖かい)
- 木綿は、濡れて乾きにくく体温を奪いやすいので、アウトドア向きではない
- 常に乾いた衣服を着用する [保温]
- 雨(衣服の外側)だけでなく、汗(衣服の内側)で濡れないようにする [保温]
- 常に運動し続けて、体温を上昇させる [熱の生成]
- 行動を止めた時(休憩や睡眠時)、必ずウエア等で温度調整をする [保温]
- 継続的に炭水化物(5cal/g程度のもの)を摂取する [熱の生成]
- 継続的に脂肪分(9cal/g程度のもの)を摂取する [熱の生成]
- 行動中はスティック状の「炭水化物+プロテイン+脂肪」の摂取が手軽 [熱の生成]
- 行動中に暑くなったら、服を1枚脱いだり飲み物を摂取するなどして、体を冷やし汗を抑える [保温]
- 積極的に排尿を行う [保温]
- 雨が降ってきたり風が強くなってきたら、適切なアウターウェアに着替える [保温]
- 水中に長時間入る場合、ウェットスーツおよび水温によってはドライスーツを着用する [保温]
- 水中に長時間入る場合、ウレタン製のブーツを着用する [保温]
- サーマル素材と呼ばれる、特殊ポリエステル製の繊維を着用する [保温]
- 濡れないようにすることだけでなく、「濡れたらどうなるか、どう対処するか」を常に考える
- 適温(38-42℃)の温泉に入る。冷泉(25℃未満)には入らない(笑)
※参考
「Swiftwater Rescue - Technical 」Hitoshi BABAさん
「Nobさんのアウトドアコラム」田中信明さん
「WLine World 気温のみかた」WLine World
「野外のエマージェンシー・ブック」大蔵喜福 地球丸 2000.03.15 \1,000 ISDN4-925020-56-0
16. [調査].消費カロリー